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[2011]中部オープンを振り返る 競技委員長 泉憲一氏

2011.09.14

歴史と伝統に育まれ、

「日本へ」の新しい道を開く中部オープン

今年の中部オープンは、岐阜関CCで行われました。好天に恵まれた大会となり決勝最終日に谷岡達弥選手(白山ヴィレッジ)が脱兎のごとく抜け出し、ぶっちぎり優勝で幕を閉じました。
中部オープンは、中部ゴルフ界の公式競技の祭典です。本来ならもう少し派手さのある競技を期待されますが、中部ならではの魅力が爽やかに伝わってきた大会となりました。そこで競技委員長・泉憲一氏に今年の中部オープンのポイントとなったことを語ってもらいました。

【インタビュー】

中部ゴルフ連盟 理事 競技委員長 泉憲一氏


●今年の中部オープンのご感想をお聞かせください
gifuseki
今回は、岐阜関CCさんのご努力のお陰でフェアウェイ、ラフ、グリーン周り、グリーン・・・申し分のないフィールドに仕上がっていました。距離も7256Yで我々が望むタフなコースセッティングを実現してくれました。大変感謝しております。選手たちもこれだけのコースに応えて頑張れば、自信がついて、「日本へ」行っても活躍できるようになれば、中部オープンの価値も上がると思います。

●中部オープンの魅力は、日本オープンへの登竜門であることですね
そうです。日本オープンへ直結している中部で唯一の公式競技です。出場できるプロも千差万別で、シード落ちした選手、アマチュアからプロに転向したばかりの選手、中堅どころで頑張っている選手、シニアになったプロ、中部アマで上位ランクに入った選手たち、みんなに日本への道の機会を与えているのが中部オープンです。中部オープンは、日本に向かって、予選会から戦い抜いてチャンスをつかみ取ろうという選手のために開催する役割があります。中部オープン41年の歴史の中には、ツアー競技に該当していた時代もありましたが、いまは人気選手が参加してギャラリーを沢山集めるのが中部オープンの本分ではありません。しかも日本オープンへの切符は2枚。大変熾烈な登竜門ですが、それだけに真剣勝負でゴルフを知るファンには、いぶし銀の味わいが楽しめる競技なのです。我が倶楽部、我が町から日本オープンへいく選手が出ることが楽しみとなる、これがこれからの中部オープンの存在価値ではないでしょうか。
飛び抜けて強い選手が出場するわけでなく、実力が伯仲しているだけにラッキーボーイも出ます。今回は森本雄選手で、予選会では次点でしたが本戦出場を決めていたアマチュアの一人が欠場したので繰り上げ出場となり、その結果2位の成績をおさめ日本オープン出場権を獲得しました。もともと力のある選手ですがこうした“運”が往々にして左右するのもオープンの面白さでしょう。

●日本オープンへ2名とは、もっと何とかなりませんか
日本オープンの出場選手枠は、以前は120名でした。10月の第2週に行われますが、日没が早くなる時期ですので選手にプレーを急がせることになります。そのために108名に枠を狭められました。それに合わせてJGAの下部組織である全国8地区の連盟出場枠が絞られたのです。昨年は4名でした。ところが日本オープンへ行って決勝進出者が出ず予選落ち。それで今年は、残念ながら2名枠となったのです。谷岡選手ともう一人が森本雄選手ですが、ぜひ予選突破を果たしてもらいたいですね。
3年前には、今はツアーで活躍している上井邦浩選手(三好)が中部オープンで優勝して、日本オープン5位の結果を出して大変に話題となりました。

●多くの選手が参加するには日程の問題はありませんか
出来るだけJGTOの試合とバッティングしないようにと、今年は一週あとへずらしましたら運悪く被ってしまいました。CGAの競技日程は早めに決まりますが、ツアー競技はスポンサー次第ですからやむを得ないところです。

ありがとうございました。これから名古屋ゴルフ倶楽部和合コースで日本女子オープンもあり、競技委員長として多忙なシーズンですが、中部ゴルフ界のために頑張ってください。

(9月9日決勝日・岐阜関カントリー倶楽部にて。聞き手・CGA編集室)