[2016]中部女子アマ競技記事・インタビュー

2016.05.28

第46回中部女子アマチュアゴルフ選手権競技
2016年5月25日(水)〜27日(金)
会場:片山津ゴルフ倶楽部(白山コース)
距離:6130Y、Par72
参加人数:第3日100名
天候:第3日 曇りのち晴れ
最終成績はこちら

13歳7ヶ月。最年少記録を塗り替えて、長谷川せら選手(TOSHIN Central)が初優勝。
初日から首位を譲らず、通算2オーバー。

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th_DSC_1950中部ゴルフ連盟主催の本戦競技の開幕となる中部女子アマチュアゴルフ選手権競技が石川県・片山津ゴルフ倶楽部(白山コース)で開催されました。
予選2日間で177ストロークまでの100人が決勝ラウンドに進出。首位を2日間キープ、通算3アンダーの中学2年生、長谷川せら選手(TOSHIN Central)が77とスコアを崩し通算2オーバーとしたものの、後続が追いつくことができず、完全優勝。2003年に金田久美子選手が記録更新した13歳9ヶ月を2ヶ月短縮し、最年少優勝を達成しました。2位は通算6オーバーで、松田唯里選手(芦原、福井工大4年)と、中川成美選手(芦原、福井工大福井高1年)の2人、ともに4位タイからのスタートでした。通算イーブンパー2位でスタートした寺田紅蘭選手(三重県連、三重高2年)は通算9オーバーと崩れ5位タイに後退、通算2オーバー3位でスタートしたディフェンディングチャンピオンの福岡靖菜選手(芦原、福井工大福井高3年)は通算7オーバーとし4位としました。

th_DSC_2155写真は、左から(敬称略)、4位:福岡靖菜、2T:松田唯里、優勝:長谷川せら、2T:中川成美、5T:岩﨑美波、5T:寺田紅蘭

今日の結果、上位11人に6月21日〜24日に福島県・グランディ那須白川ゴルフクラブで開催される日本女子アマチュアへの出場権、25歳以上(平成3年12月31日以前に誕生)の上位16人に11月17日・18日に愛媛県・サンセットヒルズカントリークラブで開催される日本女子ミッドアマチュアへの出場権が与えられました。

th_DSC_2149日本女子アマチュアの出場権を獲得した11人の選手たち

th_DSC_2139今年から3日間競技となった女子アマチュア。多くの選手たちにとって、3日間は初めての経験で、とりわけミッド世代には体力的に厳しかったようです。選手の皆さん、お疲れさまでした。写真は、日本女子ミッドアマチュアの出場権を獲得した選手たち(16人中9人)

◆◇今大会出場者の内訳◇◆
ここ最近の傾向であるが、中部女子アマの参加者のうち、ジュニアと呼ばれる中学高校生と25歳未満が全体の半数以上を占めている。
中学1年・・・2人、中学2年・・・8人、中学3年・・・3人
高校1年・・・12人、高校2年・・・11人、高校3年・・・21人
18歳~24歳・・・24人
25歳以上のミッドアマチュア・・・最年長69歳を筆頭に55人、そのうち最終ラウンド進出は22人


決勝ラウンドで、ホールインワン
が達成されました。
DSC085805番H(159Y、パー3)で、鈴木智子選手(岐阜関)が達成。6番アイアンでの一打  はバンカーの上にきられたピンに向かっていったナイスショット。ピン手前2.5メートルに落ち、転がってカップに吸い込まれたとか。鈴木選手に取っては5回目のエース。ボールはスリクソンでした。

uchida2035片山津GCのバンカーはアリソンバンカーでアゴがとても高い。しかも砂がサラサラで、入ってしまうと一度で出すことが難しい。選手たちは、”とにかく入れないこと”を作戦の一番にしていた。(写真撮影:内田淳二CGA競技委員)

uchida_2031会場の片山津GCの上空は隣接する小松空港の離発着航路になっているため、民間航空機や自衛隊機が爆音を響かせて通過することでも有名だ。朝と夕方は特に飛行が多いが、今回の中部女子アマの期間は伊勢志摩サミットと同時期だったせいか!?!飛行回数が少なかったような気がしたのは気のせいだったろうか。

廣瀬1<インタビュー>

「3日目はパターが入らなさ過ぎて、思わず笑えてきちゃった」
長谷川せら選手(TOSHIN Central 各務原市稲羽中2年) 218=72、69、77(39、38)

th_DSC_20773日間首位をキープし、中部女子アマ史上最年少優勝を達成した長谷川選手。これまでの記録は2003年に金田久美子(現プロ)が名古屋女子大付属中2年の時で13歳9カ月、誕生日の関係で、長谷川選手が2カ月縮めたことになる。

長谷川選手は初日ただ一人のイーブンパーで首位に立つと、第2日は69をマークし、通算3アンダーと2位と3打差をつけた。2日目は蒸し暑く、熱中症でリタイヤが出るほどの天候。長谷川選手も後半の3番Hのグリーン上で突如の鼻血を出しながらも7メートルのロングバーディパットを決めるというびっくりな出来事もあった。とはいえ、本人は「鼻血は良く出るので気にしていない」と動じていなかった。
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最終日。朝のスタート時は、昨夜からの雨がまだ少し残った状態。昨日の蒸し暑さから一転、気温も下がり、風もやや肌寒さを感じるほどだったが、午後には晴れ間が広がり、暑さが戻ってきた。長谷川選手は、2位と3打差、3位とは5打差でスタート。1番Hで2打目が木の後ろからとなり、それがショートして結局5オン、ボギーとした。この時、3位の福岡靖菜選手がバーディを決め、3人の差は一気に縮まった。その後は、パーオンするもののバーディが決まらないホールが続く。そして5番H(159Y、パー3)で第1打を手前のバンカーに入れた。バンカーショットは出ただけ、スプリンクラーにかかり、救済処置をして3オンとしたが、パットが外れ、ダブルボギー。ここで、寺田紅蘭選手と1打差となったのだ。長谷川選手は淡々とパーを重ねる一方、後続がボギーを出して、前半を終えた所では、通算イーブンパーで首位の折り返しとなった。後半に入っても、長谷川選手のパッティングはさえなかった。「もう、あんまりにも入らなさ過ぎて、はずしたら思わず笑えてきちゃった。ショットはキレキレだったのになあ」。その言葉通り、最終組の3人の中では飛距離は出ない長谷川選手だが、第2打を他の二人に先がけてピン近くに乗せていく。しっかりとプレッシャーを与えていたのだ。後半に2つ目のボギーを17番Hで叩いた時、実は、前の組の中川成美選手が1打差まで迫っていたのだが、続く18番Hで中川選手はバンカーからの脱出に失敗しダブルボギー。そんな周りの優勝争いも本人は全く知らずに、自分のゴルフに集中していた。最終18番H、フェアウェイからの第2打をダフリ、花道からの第3打はピン奥3メートル。それを鮮やかに1打で決めパー。「あのパットだけはちゃんと入りました!」

明るく、中学生らしい屈託のない笑顔が印象的な長谷川選手は今回が3回目の中部女子アマチュア。去年は日本女子アマに出場したがマッチに残れなかった。「今回の目標は日本女子アマに出場して、残ること」と優勝などまるで考えていなかった。が、首位で最終日はさすがに緊張したようで、「前夜は寝られなかったみたい」とお父さん。本人は「3打の貯金があるから3オーバーまではいいかなと思ってたけど、今日はひとすぎた」と優勝の嬉しさよりも77のスコアと内容に納得がいっていない。好きなプロは、韓国のキム・セヨン。小学生時代にゴルフと並行してやっていたダンスと水泳は中学に入ってお休み状態だが、その分、ゴルフを進化させてきた。これからの活躍がますます楽しみな13歳である。

2位は先輩後輩の2人。
th_DSC_4298写真右が松田選手、中央が中川選手

「上がってみたら、2位だった。ビックリ」
松田唯里選手(芦原:福井工大4年) 221=74、74、73(38、35)

首位と7打差の4位タイからスタートした松田選手。中部の女子学生ナンバーワンの実力をもつ選手だが、大逆転は難しかった。しかし、本人は「ショットが悪くて、ショートホールは一度も乗らなかった。アプローチとパターでしのいでしのいで、だったから、上がってみて2位でビックリしてます」。去年はプレーオフに敗れての2位。リベンジができなかったが「今年はホッとしている。日本学生に向けて調整します」。


「バンカーが難しかった」
中川成美選手(芦原:福井工大福井高1年) 221=75、73、73(37、36)

後半の15番Hから17番Hまで連続バーディを決め、通算3オーバーとし、首位に1打差に迫ったが、最終18番Hで第2打をグリーン手前のバンカーに入れてしまった。「前に入ったバンカーでホームランしてたので、少し抑え気味にしたら、一度で出なかった。今日はドライバーが安定しなくて、フェアウェイを外してばかりでした」と晴れ晴れした表情だった。愛知県からこの春、福井高に入学。新しい生活が始まっている。

★日本女子ミッドアマチュア出場権は16名に
DSC0852125歳以上のミッド世代に与えられる日本女子ミッドアマチュア出場枠は今年は16人と昨年より減少した。3日間を戦いぬき、トップとなったのは多賀章子選手(グリーンヒル関)だった。通算232は全体の22位タイ。「打ち上げが多く、距離感が難しいし、パッティングも傾斜が読みにくい」と苦労したようだったが、初日から徐々に調子を上げ、最終日は75をマークし、ミッドトップになった。

ベストスコアで初の日本女子アマ出場をゲット!
上田莉奈選手(芦原:福井工大福井中2年) 227=76、80、71(36、35)

DSC08582決勝ラウンドでただ一人のアンダーパー71をマークした上田選手。前日の29位タイから大ジャンプアップし、日本女子アマの切符を手にした。「今日はバーディが2つ。全体にパットが良く入りました。ドライバーが悪くて林にいっぱい入ったけど、木の隙間から上手く出せて良かったです」とニコニコ、キラキラの笑顔。聞けば、この71というスコアは、人生初めてのスコアだとか。初日の前半に35で回ったのもベストだった。片山津GCの難しいコースでこれまでの74を3つも縮めるアンダーパーが出たなんて、これからも忘れられないラウンドになったはず。日本でもぜひベストを狙って!! 三重県出身。

★今大会最年長は26年連続出場
DSC08515北原治美選手(名古屋グリーン)は、1991年の第21回大会(岐阜稲口GCで開催)から実に26年間、連続出場を果たした。残念ながら今回は決勝に進出できなかったが、今も中部女子ゴルフ研修会に所属して毎月の研修競技に参加、日々の練習も欠かさないアスリートゴルファー、今年は先日行われた岐阜県女子シニアで2位と4打差の78で圧勝したばかり。「今年でおしまい」と言って会場を後にしたが、ゴルフ大好きな北原選手のこと、来年もきっと・・・(^O^)

★最年少は中学1年生の2人
DSC08540神谷そら選手(明世:土岐市土岐津中1)は今大会最年少の中学1年の一人。小学6年だった去年も中部女子アマに出場。「去年は3打足らずで日本に行けなかった。今年は初出場できる!嬉しい!」。見事に7位タイで出場権を獲得した。伸び盛りの神谷選手は今162cm、4月から身長が2センチ伸びたとか。

DSC08513もう一人の中学1年生が能美りのん選手(アイランドゴルフガーデン加賀:加賀市山代中1)だった。小学2年からゴルフをはじめ、現在は小松ジュニアでレッスンを続けている。初出場だった今回は残念ながら決勝に進めなかった。