中部アマチュア本戦 4R成績表、速報記事、日本アマ出場者、会場フォト掲載
2025.05.23
2025年度(第57回)中部アマチュアゴルフ選手権競技 本戦
開催日/2025年5月20日(火)~5月23日(金)
会場/スプリングフィールドゴルフクラブ
第4日成績表(PDF)
第57回中部アマチュアゴルフ選手権競技
2025年5月20日(火)・21日(水)・22日(木)・23日(金)
会場/スプリングフィールドゴルフクラブ 6890yd・Par72
参加人数/136名(うち欠場3名)
天候/1R 晴れ、2R 晴れのち曇り、3R 曇りのち晴れ、4R 曇り
東北福祉大1年の矢野仁貴選手(中仙道GC)が怒涛の追い上げ。
最終18番で追いつき、通算10アンダーでのプレーオフ。
日本アマチャンピオン・松山茉生選手(グリーンヒル瑞浪GC)を下す。
第57回中部アマチュアゴルフ選手権競技が終了した。会場のスプリングフィールドゴルフクラブは朝から曇り空で気温も午前9時で23℃と、昨日までに比べて低く、風も涼しさを感じるほどだった。グリーンコンディションはスティンプ10.8、コンパクション23と4日間で最も速い状態、ホールロケーションも最終日らしい厳しさを増していた。
3日目を終え、通算9アンダーで首位の加藤金次郎選手(JGAジュニア・瀬戸市立水無瀬中3年)、通算8アンダーの矢野仁貴選手(中仙道GC・東北福祉大1年)、通算7アンダーの松山茉生選手(グリーンヒル瑞浪GC・福井工大福井高2年)、そして通算3アンダーの水谷海琉選手(いわむらCC ・中部大第一一高3年)の4人が最終組でティーオフ。決勝の2日間が同じ顔ぶれとなるのもなかなかに珍しいことだった。
スコアは昨日同様、1番(402ヤード、パー4)から動く。首位の加藤選手がグリーン奥からのアプローチをカップオーバー、2パットのボギーで通算8アンダーに、水谷選手がピン右からバーディパットを決め通算4アンダーとした。続く2番(436ヤード、パー4)で矢野選手がグリーン奥のピンに対して、手前10メートルから3パットのボギーとして通算7アンダーに落とした。
4選手の攻め方は、基本は前日と同じように思えた。飛距離のある松山選手と矢野選手はティーショットでアイアンを握ることも多かった。4選手ともにほぼフェアウェイをキープし、グリーンを確実に捉えていく。難しいホールロケーションとアンジュレーションのあるグリーン面のせいで、2メートルほどのバーディチャンスも逃してしまう場面も多かった。
そんな中、加藤選手は4番バーディ、8番ボギー、矢野選手は5番ダブルボギー、松山選手は5番バーディ、7番ボギー、水谷選手はパーセーブで前半9番(552ヤード、パー5)を迎えた。ここで4人全員がバーディを奪い、スコアを伸ばした。折り返し時点で、加藤選手が通算9アンダーで首位、松山選手が1打差の通算8アンダーで2位、矢野選手が通算6アンダーで3位、水谷選手が通算5アンダーで4位と上位は最終組のままだった。
後半に入り、加藤選手はパーセーブで首位をキープする。すると松山選手が12番ボギーの後、14番、15番をバーディとして通算9アンダーとし加藤選手に並んだ。にわかに動き出した試合の流れ。その流れがどよめきに変わったのが、16番(223ヤード、パー3)だった。グリーン奥のピンに対し、一番端に乗せた矢野選手が30メートルの大きなスライスラインを決め切りバーディを奪うと、続く松山選手も7メートルのバーディパットを沈めたのだ。そして、バンカーからアプローチで寄せた加藤選手があろうことか3パットのダブルボギーとし、松山選手が通算10アンダーで首位になり、矢野選手が通算8アンダーで2位、加藤選手は通算7アンダーの3位に。そして、続く17番(540ヤード、パー5)で矢野選手が果敢に2オンを狙ってバーディを奪い、通算9アンダーとして松山選手と1打差に迫ったのだ。
最終18番H(440ヤード、パー4)。矢野選手の第2打はピン右5メートルにつけ、松山選手はピン手前10メートルにオン。ここでスコアが並べばプレーオフ、という状況で、先に打った松山選手のバーディパットはカップに届かず。続いて矢野選手、そのバーディパットがきっちり入り、通算10アンダーで2人が並び、プレーオフへともつれ込んだ。
プレーオフ1ホール目の1番。第1打、先に打った松山選手はフェアウェイ左側、矢野選手はフェアウェイ真ん中。第2打は矢野選手がピン左4メートルに乗せると、松山選手もピン手前2.5メートルにつけた。先に打った矢野選手は、微妙なスライスラインを読み切り、ガッツポーズ。続く松山選手も慎重にラインを読んでパッティングしたが、球はカップの右をすり抜け、矢野選手の初優勝が決まった。
矢野選手は名古屋市出身、名古屋高校からこの春に東北福祉大に進学したばかりの18歳。昨年度日本アマは地区予選から勝ち上がり本選で17位タイ、CGA競技では昨年度中部ジュニア15歳〜17歳男子の部で3位だった。
成績<入賞> 敬称略
優勝 矢野仁貴(中仙道GC) 278=68、69、71、70
2位 松山茉生(グリーンヒル瑞浪GC) 278=71、68、70、69
3位 加藤金次郎(JGAジュニア) 281=70、69、68、74
4位 水谷海琉(いわむらCC) 283=74、68、71、70
5位 湯原光(岐阜国際CC) 291=72、77、70、72
◆日本アマチュア出場権は通算297ストロークまでの18人。
通算297ストロークまでの18人が日本アマチュアゴルフ選手権競技(7月1〜4日 神奈川県の横浜カントリークラブで開催)への出場権を獲得した。松山茉生選手がシード権を持っているため、19位の選手までが対象となった。タイが生じたため、最終日のラウンドスコアにより決定された。
松山選手を含む19人の中に、59歳の横山浩康選手(ローモンドCC)、中学3年生の加藤金次郎選手、中学1年生の福井誠ノ介選手が入った。日本アマに初めて出場するのは8選手。
また、通算223ストロークまでの上位25人が今年の中部オープン(7月9〜11日に岐阜関CCにて開催)の出場権を得た。この中には、日本アマ出場の横山選手の他に、45歳の源野智紀選手(朱鷺の台CC)が権利を獲得した。こちらもタイが生じたために最終日スコア及びマッチングスコアカードにより決定された。
<優勝インタビュー>
優勝
矢野仁貴 選手(中仙道GC・東北福祉大1年) 278=68、69、71、70(38、32)
後半16番から怒涛の3連続バーディを決めて、首位に並び、プレーオフに持ち込んだ。16番の30メートルのスライスライン。17番は「イーグルかバーディを取らないと」と残り250ヤードから3番アイアンで果敢に2オンを狙った。その球は、グリーン奥のレッドペナルティエリアまで飛んだが、そこからピンの上2メートルにつけバーディを決めた。18番は5メートル、そして、プレーオフも4メートル。実に4連続バーディを決め切って初優勝を手にした。
驚きの、手に汗握る展開だったが、矢野選手はある意味、想定内だったようだ。「昨日からなんかいけるような気がしていました。前半で首位と3打差になった時も、後半に追いつけると感じていた」と試合を振り返りながら心模様を話してくれた。最終日は、それまでの4番アイアンに変えて3番アイアンを入れた。「昨日までの3日間は4番アイアンで少し足りなくて、最終日は攻めようと240ヤードの3番にしました。それが良かったと思う。追いつけるかなと思ったのは、東北福祉大に入って、まだ2ヶ月くらいですが、すでにたくさんの部内の試合があって、その中で、マジか〜っていうものすごいプレーを間近にいつも見てきたから。なので、茉生くんたちの上手いプレーを見ても驚きや焦りを感じることはなかったし、自分のプレーにも集中できました」。強豪の揃う東北福祉大で揉まれることで、すでに矢野選手のメンタルは強くなっていた。
小学6年の時、中部小学生で優勝。その後、ゴルフはやめて、名古屋中で野球を続けた。「野球を続けていたことで全身のバランスは良くなっているかもしれない」と矢野選手。その野球は中学でやめ、名古屋高でゴルフを再開。高3時の中部ジュニア3位、愛知県男子アマ2位だった。いくつかの大学から声がかかっていたが、東北福祉大を選んだ。「この選択は正解だったと思う。寮のごはんがもっと美味しいといいけどね(笑)」。矢野選手はここからますます強くなっていく、そんな予感を示してくれた4日間だった。
2位 松山茉生 選手(グリーンヒル瑞浪GC) 278=71、68、70、69(35、34)
最終日首位と1打差の2位からスタート。前半を終えても1打差だったが、後半に連続バーディで単独首位に立った。しかし、追い上げてきた矢野選手に並ばれ、プレーオフでは、バーディパットを外し、タイトルを逃した。「最後のバーディパットは矢野選手よりも短く、ラインも良かったし、しっかり打ちましたが僅かにスライスしました。今までで6回目のプレーオフでしたが、中日クラウンズで岡田晃平プロが『自分が勝ってガッツポーズするイメージを描くようにしている』と言われていたのを思い出して向かったんですが・・・。それよりも、今日の17番でティーショットをアイアンにして右に逃げたのがダメでした。安全にパーじゃなくてバーディ狙いで攻めるべきだった」と反省の言葉を口にした。昨年の日本アマチュア優勝で大注目され、その後の活躍もあって、今年度からナショナルチームに入っている松山選手は、今大会はシード選手として出場した。次週以降、ネイバーズトロフィーチーム選手権、昨年個人優勝したトヨタジュニアワールドカップなど日本代表の試合も目白押し。福井工大福井高2年。
3位 加藤金次郎 選手(JGAジュニア) 281=70、69、68、74(36、38)
最終日を首位でスタート、前半も順調に進めた加藤選手だったが、後半に抜かれた。「16番のダブルボギーの後、17番でバーディを取り返したのですが、優勝できなかったのはしかたない。日本アマでリベンジしたいと思います」。負けても爽やか、頼もしい中学3年生だ。瀬戸市立水無瀬中3年。3年前の中部小学生優勝。昨年の中部日本ゴルフマスターズで優勝し、今年度中日クラウンズ出場。日本アマは昨年に続き2度目の出場となる。
4位 水谷海琉 選手(いわむらCC) 283=74、68、71、70(34、36)
2日間続けて最終組を体験した水谷選手。正確なショットやパッティングで地道にスコアを伸ばした。優勝戦戦には絡めなかったが、最終日は前半2バーディ、後半2バーディ、2ボギーの2アンダーでフィニッシュした。中部大第一高3年。
5位 湯原光 選手(岐阜国際CC) 291=72、77、70、72(35、37)
湯原選手は2日目の14番(539ヤード、パー5)で大トラブルになった。ティーショットで2回OB、7打目をグリーンに乗せたが、なんと4パットの11打を叩いた。それでも後半のアウトをアンダーでまとめるなど77におさめ、32位タイで決勝ラウンドを迎えた。「今日も内容は悪かったですね。バーディパットはなかなか入らなかった。4日間で少しずつ上向きにはなってきたと思います。日本アマで頑張ります」と苦笑い。東北福祉大4年。日本アマは中学2年生からの連続出場が8度目となる。
6位 井村栄斗 選手(JGAジュニア) 292=76、71、72、73(35、38)
栄徳高3年。日本アマには初出場となる。
6位 横山浩康 選手(ローモンドCC) 292=73、73、72、74(38、36)
59歳にして連日のナイスプレーを続け、堂々の6位タイで日本アマチュア出場権を獲得した。「今日が最後だから、もう1日頑張ってくるよ」とスタートした横山選手は、スタートの1番でバーディを奪った。前半を2オーバーで折り返した後半はパーセーブを続け、16番ボギーの後、続く17番でバウンスバックし、この日を74でホールアウト。「日本アマは初めてだけど、向こう(本選)に行けば、知り合いはたくさんいるから、楽しんできます(笑)」。
6位 永田丞 選手(中部学連) 292=71、71、73、77(36、41)
中部学院大4年。日本アマは大学1年から4年連続出場となる。昨年の日本アマは17位。
9位 橋本拓英 選手(CGA) 293=73、72、76、72(39、33)
三重県の三重高から東北福祉大1年。昨年の日本アマは35位。
9位 石垣敢大 選手(鈴鹿CC) 293=76、72、73、72(36、36)
中京大4年。
9位 滝田詠夢 選手(三重県連) 293=72、71、72、78(40、38)
代々木高3年。日本アマには初出場となる。
12位 申東宙 選手(JGAジュニア) 294=68、76、76、74(38、36)
愛知桜丘高3年。日本アマには初出場となる。
12位 山口大騎 選手(中仙道GC) 294=71、75、73、75(37、38)
東北福祉大3年。日本アマには初出場となる。
14位 清本貴秀 選手(養老CC) 295=79、75、69、72(37、35)
福井工大福井高2年。昨年の日本アマは53位。
14位 松岡龍希 選手(ぎふ美濃GC ) 295=74、71、77、73(35、38)
中京大4年。日本アマには初出場となる。
16位 福井誠ノ介 選手(JGAジュニア) 296=76、71、74、75(37、38)
今大会出場の中学生の中で、加藤選手に次ぐ好成績を出した福井選手は。尾張旭市立西中1年。昨年の中部小学生優勝。IMGA世界ジュニア7−8歳の部、9−10歳の部で優勝。日本アマには初出場となる。
16位 中嶋太造 選手(CGA) 296=72、 74、74、76(38 38)
福井工大を卒業して2年目になる。日本アマ出場は2度目となる。
16位 奥村礼惟 選手(葵CC) 296=75、74、70、77(38 39)
昨年のCGA佐々部杯で優勝。この春に駒澤大学を卒業。日本アマには初出場となる。
19位 松井諒哉 選手(CGA) 297=73、77、76、71(35、36)
通算10オーバーの41位タイで最終日をスタートした松井選手は、前半に2バーディ、1ボギーで折り返し、後半15番でダブルボギーを打つも17番、18番で連続バーディを奪い、通算9アンダーでフィニッシュ。カットライン上で、最終日スコアの最上位で日本アマ出場権をゲットした。第1組のスタートだったため、表彰式までは長ーい待ちだった。持病(クローン病)のため、食事制限がある。昨年度は体調が芳しくなく競技には全く出場できなかった。今年も様子を見ながらの出場となるが、大事な中部アマで結果を出せた。福井工大3年。3年前に三好CCで開催された第54回中部アマチャンピオン。
<会場フォト>