中部学生 2R成績表、速報記事、インタビュー他掲載
2025.08.08
2025年度(第54回)中部学生ゴルフ選手権競技
開催日/2025年8月7日(木)・8日(金)
会場/ ザ・トラディションゴルフクラブ
第54回中部学生ゴルフ選手権競技
2025年8月7日(木)・8日(金)
会場/ザ・トラディションゴルフクラブ ・男子7007yd、女子6237yd 、Par72
参加人数/128名
男子84名(うち欠場1名)、女子44名(うち欠場2名)
天候/1R 曇り時々雨のち晴れ、2R 晴れ
男子の部/石垣敢大選手が2年ぶり2度目の優勝
女子の部/左菜々選手(朝日大1年)が逆転で初優勝
男子は149ストロークまでの14人、女子は148ストロークまでの7人が日本学生出場権を獲得
中部学生ゴルフ選手権競技の決勝ラウンドが終了した。会場のザ・トラディションゴルフクラブは朝から気持ち良い青空が広がった。6時30分のティーオフは女子の部からスタート。続いて男子の部へと進んだが、風が心地よく、湿度も低めで快適に感じられた。ただ、その快適さも陽射しが強くなるにつれ真夏日と化した。
◆男子の部◆
84ストロークまでの60人が進出し、熱戦が繰り広げられた。最終組は午前8時9分のティーオフだった。5アンダーの石垣敢大選手(中京大4年)、3アンダーの森虹陽選手(中部学院大3年)、2アンダーの永田丞選手(中部学院大4年)と新井龍紀選手(中部学院大3年)の4人は1番パー4で森選手が左のバンカーへ、後の3人はフェアウェイに第1打を放ったが、第2打で新井選手はグリーン左の林の方へ、石垣選手はグリーン奥のカート道まで飛ばし、永田選手だけがグリーン奥にオンさせた。森選手は第3打をグリーン手前バンカーに入れ、そこからアウトするも2パットのボギー、新井選手も林からうまく運んだがボギー、石垣選手はアプローチがピンの下2メートルほどまで転がったがガッツパー、永田選手は2パットのパーで発進した。2番では石垣選手の第1打が左に曲がり、木に当たって手前に落ちるトラブル。そこからグリーン右サイドまで運んだがアプローチがカップをすり抜け、返しを外してボギーとする。新井選手はピン奥に2オンするも3パットのボギー。その後も毎ホールで誰かがショットを曲げたり3パットしたりという展開で、打順もスコアも動いていった。
そんな中、石垣選手は2番でボギーを打った後は微妙なパットを残しながらもパーセーブを続け、前半を1オーバー37、通算4アンダーで折り返す。続いたのは永田選手で2バーディ、1ボギーの35で通算3アンダーと1打差に迫った。森選手は41、新井選手は44と崩し、それぞれ通算2オーバー、6オーバーと後退した。前の組の中では、松岡龍希選手(中京大4年)が通算2アンダー、加藤献晴選手(岐阜聖徳大1年)と大塚悠生選手(中京大3年)が通算1アンダーで折り返していた。
後半のホールが進むにつれて、石垣選手と永田選手の一騎打ちの展開となる。石垣、永田両選手ともに10番、12番でバーディを奪って、通算6アンダー、5アンダーに伸ばし、1打差は変わらない。すると14番、15番で永田選手が連続ボギーを打ち、2人の差は3打となるが、続く16番で石垣選手がボギー、17番で永田選手がバーディを奪い、再び1打差で最終18番パー5を迎えた。ともに第1打を池の手前へ。永田選手が安全策で刻むのを見た石垣選手は「風もフォローだし思い切っていこう」と残り245ヤードを3Wで会心の当たり、球はグリーン奥の斜面まで飛んだ。一方の永田選手は第3打をピンの右3メートルにつけるナイスショットだった。そして、石垣選手のアプローチ、柔らかくカラーに落ちた球はコロコロと転がり、ピン左手前1.5メートルに。グリーンサイドで見守る仲間たちから大きな歓声が聞こえた。勝負のバーディパットは永田選手からだったが、球はカップをすり抜けた。この瞬間、石垣選手はパーでも優勝の状況になったが、石垣選手はきっちりとカップに沈めバーディフィニッシュ、通算6アンダーで2年前以来の中部学生2度目の勝利を手にした。結果、この4年間、中部学生は石垣選手と永田選手が交互に優勝を分け合ったことになった。
れる。
成績(入賞)
優勝 石垣敢大(中京大4年) 138=67、71(37、34)
2位 永田丞(中部学院大4年) 140=70、70(35、35)
3位 大塚悠生(中京大3年) 141=73、68(34、34)
3位 松岡龍希(中京大4年) 141=70、71(36、35)
5位 加藤献晴(岐阜聖徳大1年) 142=70、72(37、35)
また、通算149ストロークまでの14人が日本学生の出場権を獲得した。日本学生ゴルフ選手権競技は8月26日(火)〜29日(金)に長野県の穂高カントリークラブで開催される。
◆女子の部◆
80ストロークまでの30人が決勝ラウンドに進出した。最終組は4アンダーの冨田有紀選手(福井工大1年)、3アンダーの酒井夏鈴選手(中部学院大3年)、1アンダーの花城来香選手(朝日大2年)と浦崎涼選手(福井工大1年)の4人。好調だったのは冨田選手で3番、6番、9番をバーディとして通算7アンダーに伸ばした。浦崎選手は3バーディを奪うもダブルボギーとボギーでイーブン、通算1アンダーとする。花城選手は1オーバーで通算イーブンパー、酒井選手は41ストロークと芳しくなく通算2オーバーに後退。前の組の左菜々選手(朝日大1年)が1アンダーからスタートし、35ストロークで通算2アンダーに伸ばしていたが、首位の冨田選手とは5打差がついており、このまま冨田選手が突っ走るものと思われた。
だが、後半に入ると、冨田選手は10番ボギー、11番ダブルボギーと突如崩れる。この時点で通算4アンダーに落とした冨田選手に対し、前の組の左選手が11番から3連続バーディを奪い、通算5アンダーに伸ばしていて、首位が入れ替わった。左選手は15番パー4でボギーとするも16番パー3でバーディを決めてホールアウトし、後続を待つ形に。最終組の冨田選手はその後もボギーが続き、結局通算1アンダーでのフィニッシュとなり、左選手の初優勝が決まった。優勝した左選手をはじめ入賞の3人は皆1年生だった。
成績(入賞)
優勝 左菜々(朝日大1年) 139=71、68(35、33)
2位 浦崎涼(福井工大1年) 143=71、72(36、36)
2位 冨田有紀(福井工大1年) 143=68、75(33、42)
⚫︎また、通算148ストロークまでの7人が日本女子学生の出場権を獲得した。日本女子学生ゴルフ選手権競技は8月27日(水)〜29日(金)に長野県の穂高カントリークラブで開催される。
<インタビュー>
男子の部
「リードしている気がしなかった」
優勝
石垣敢大選手(中京大4年) 138=67、71(37、34)
1.5メートルのバーディパットを決め、待っていた仲間たちに向かって両腕を高く掲げた石垣選手。「プレーオフもありえたので、勝てて良かった!!」と笑顔満面だったが、実は「リードしている気はまるでなかった」と言う。2位と2打差でスタートしたこの日、1番の第2打をグリーンオーバーから始まって、アプローチがピンをかなりオーバーすることが多かった。「芝が乾いていたのか、アドレナリンなのか、思うより転がっていました」。同組の選手がショットやパットでばたついているのを見ながら「自分のペースでやろう」とパーセーブを続け、前半を1打リードの首位で折り返した。後半は永田選手とのマッチプレーのような状態になったが、最後まで集中力を切らすことなく、最終18番では「みんなが見ているし、かっこよく2オンを狙ったし、バーディで終わらせたかった」ときっちりカップに沈めた。
158センチと小柄ながら、昨年からの筋力アップで63キロにまで増量。飛距離を伸ばし、持ち前の小技でスコアメイクする。プロテスト2次(伊勢CCで開催)を首位通過している石垣選手は、この後、まずは日本学生で昨年のリベンジ、その次週にプロテスト最終、さらにQTへと着々と前に歩を進める。もうひとつ、大学卒業の単位取得も残っている!
「去年の競り合いがいい経験になっています」
2位
永田丞選手(中部学院大4年) 140=70、70(35、35)
首位と3打差でスタートし、前半で1打差に縮めた永田選手だが、「前半はティーショットもパッティングも合わなかった」と振り返り、「後半は10番で3メートルほどのバーディパットを決めたあたりから「パッティングに集中しました」と続けた。14番で右にOBを打ったがボギーでまとめ、続く15番でアプローチのミスからボギーとして、石垣選手と3打差になった時も、「3打差は大丈夫と思っていました。去年、(松山)怜生くんと競り合って勝てたんだけど、最後まで我慢していればチャンスが来るといういい経験ができたことが役立ってるんだと思いました」と最後まで戦い続けられた思いを語った。惜しくも優勝は逃したが、大学1年と3年の2度の中部学生優勝を記録した。今年絶対に叶えたいのが日本学生の決勝ラウンド、そして、プロ最終テスト、QTとまだまだ試合は続いていく。
今日のベストスコア、68をマーク
3位
大塚悠生選手(中京大3年) 141=73、68(34、34)
決勝にふさわしい難度高いホールロケーションのこの日、4アンダー68ストロークをマークしたのが大塚選手だった。「今日はティーショットは良くなかったので、とにかくグリーンの真ん中を狙う作戦で行きました。うまく着いたところでバーディが取れたことと、厳しいパーパットが入ってくれたことが良かったです」と5バーディ、1ボギーの内容を説明してくれた。バーディの中で17番は12メートル、カップを5つ外すほどの大スライスラインを決めている。中部学生は去年は初日が良かったものの2日目にたたいて圏外になった。日本学生初出場を決めた今大会、次は4日間の戦いに挑む。
3位
松岡龍希選手(中京大4年) 141=70、71(36、35)
5位
加藤献晴選手(岐阜聖徳大1年) 142=70、72(37、35)
<女子>
「振り切ることで不安が少し和らいだ」
優勝
左菜々選手(朝日大1年) 139=71、68(35、33)
初日1アンダー、首位と3打差からスタートした左選手は前半を2バーディ、1ボギーの1アンダーで通算2アンダーとした。この時点で首位とは5打差に広がっていたが、後半の11番から3連続バーディで一気に通算5アンダーに伸ばし、首位に躍り出た。「13番は10メートルの長いパットが入りました。その後15番で3パットのボギーでしたが、16番ショートで段の下6メートルからのバーディパットが入って良かったです」と1日を振り返った左選手だったが、優勝の喜びがありつつも、本人としては不安だらけの2日間を終えた安堵の方が大きかったようだ。
左選手といえば、ジュニアで知らない人はいないほどの強い選手。福岡県の沖学園高3年の時、トヨタジュニアゴルフワールドカップ(中京GC石野コースで開催)の女子日本代表に選出され、夏のゴルフ甲子園ではプレーオフで2位と、意気揚々で進んだプロテストだったが、最終日の後半に大失速。「佐賀国スポの辺りからおかしくなっていた」というショットがついに「イップスのような状態になってしまった」のだという。打つのが怖いほどに落ち込んでいた時に、同郷の春山愛先輩に「朝日大、いいばい!」と聞き、入学を決めた。いい仲間と練習を重ねながら、朝日大コーチの森口祐子プロからは「何も起きてないことを心配することはない」とアドバイスも受けた。「今日はやるしかないと思って、振り抜くことを意識しました。そうしたら、だんだんとショットが安定して良くなってきました」。まだまだ不安がいっぱいといった様子の左選手だったが、この優勝をきっかけに、日本女子学生、そしてプロテストへと自信を深めていって欲しいものだ。
「2日間、波の少ないプレーができました」
2位
浦崎涼選手(福井工大1年) 143=71、72(36、36)
前半に3バーディ、1ボギー、1ダブルボギーのイーブン、後半はオールパーセーブのイーブン、通算1アンダーで堂々の2位タイで2日間を終えた。「今日はショットが乱れていましたがアプローチでカバーできました。バーディはロングで3つ。ダブルボギーは池に入れたショートです。ダボのような大きなミスがあったのが残念ですが、この2日間は波も少なくできたと思います」。
浦崎選手は沖縄県コザ高校からこの春に福井県の福井工大へ。きっかけになったのは横井優星監督からの誘いだった。「福井工大は知らなくて、お誘いを受けてから調べたら良さそうだったので決めました。予想通り環境が良いので練習時間も増えました。スポーツ健康学部ですが、学業と両立をします!!」と頼もしい言葉。大学生としての時間とゴルフの時間をうまく両立させて、素晴らしい選手になってください!!
2位
冨田有紀選手(福井工大1年) 143=68、75(33、42)
<会場フォト> 準備中