中部オープン 3R成績表、速報記事、優勝他インタビュー、会場フォト 掲載
2025.07.11
2025年度(第54回)中部オープンゴルフ選手権競技
開催日/2025年7月9日(水)~11日(金)
会場/岐阜関カントリー俱楽部(東コース)
第3日成績表(PDF)
最終日の配信は下記の外部サイトより視聴可能です。
・Locipo
・YouTube
・GAORAオンデマンド(月額契約者のみ)
第54回中部オープンゴルフ選手権競技
2025年7月9日(水)・10日(木)・11日4(金)
⚫︎賞金総額2000万円 ⚫︎優勝賞金500万円
会場/岐阜関カントリー倶楽部(東コース) 7257yd Par71
参加人数/136名(アマチュア16名、プロ120名)
ギャラリー数/1R 200人、2R 200人、3R
天候/1R 晴れ時々曇り、2R 晴れ、3R 晴れ
金子駆大選手(NTPホールディングス)が
54ホール目のバーディで劇的優勝。
ベストアマは清本貴秀選手(養老CC)
第54回中部オープンゴルフ選手権競技の決勝ラウンドが終了した。
会場付近は昨晩から夜明けにかけて、土砂降りに近い雨が降ったが、朝からは強い陽射しが注いだ。ただ3日間の中では風が最も強く、酷暑の中の清涼剤であった。
通算146ストロークまでの88人が進出した決勝日は、午前7時15分から3人組の10分間隔で競技が進んだ。そして、アウトスタートは女性アナによる選手紹介がなされオープンらしい華やかな光景が見られたほか、第1組からCBCテレビによる生配信(★Locipo ★YouTube ★GAORAオンデマンド(見逃し配信1週間)と生放送(GAORA SPORTS<CS放送>も行われ、クラブハウス内のモニターでも放映された。
通算8アンダーで2日目首位の中山絹也選手(フリーウォーク)と久保田皓也選手(フリー)、通算7アンダーの織田信亮選手(セーレン・株)の最終組を追いかけ、前の組には通算7アンダーの金子駆大選手(NTPホールディングス)と長谷川貴優選手(フリー)、通算6アンダーの石渡和輝選手(フリー)、牧司選手(フジケン)、正岡竜二選手(グランデュール)、大内智文選手(レイクグリーンGC)、大澤和也選手(フリー)が続いていた。
最終組の3選手はアウト1番を無難にパーセーブして2番ショートへ。ここで、首位の中山選手が左バンカーから出した6メートルのパーパットを外してボギー、久保田選手はなんと1オン4パットのダブルボギーにしてしまい、それぞれ通算7アンダーと6アンダーになった。最終組が3番、4番をパーセーブする間に、前を行く金子選手が2連続バーディで通算8アンダーに伸ばし首位に立つ。さらに、2組前の牧選手が3番、6番、7番とバーディを重ねて通算9アンダーで首位が入れ替わった。
前半折り返し時点で、牧選手が通算9アンダー、1打差の8アンダーに金子選手と中山選手、7アンダーに織田選手、6アンダーに長谷川選手、最終組から3組前の山本大雅選手(紫CCすみれコース)と4組前の水田竜昇選手(スプリングフィールドGC)が続く展開であったが、後半15番パー5の時点で牧選手が3バーディを奪って通算12アンダーに伸ばす快進撃。それを追いかけたのが1組後ろの金子選手で、15番を終えて通算11アンダーと、その差を1打に迫った。昨年プロテスト合格のルーキーイヤーとなる牧選手だったが、単独首位の緊張感を感じさせないプレーで、16番、17番と危なげないパーをキープする。一方、金子選手は16番パーの後、17番パー4で150ヤードの第2打をPWでピンの左3メートルにつけ、それを沈めて、ついに牧選手を捉えたのだ。コース内のギャラリーはもちろんのこと、ハウスのモニターで観戦していた人々も並んだ2人に大いに沸いた。
最終18番、牧選手は第2打をグリーン右のカート道の奥に飛ばしたが、そこからナイスアプローチでピン2メートルにつけ、素晴らしいパーセーブ。通算12アンダーでホールアウトする。そして、最後に賭けてやってきた金子選手は、第1打を右のラフに入れる。皆の中にプレーオフがチラリと掠めた瞬間だったが、金子選手は185ヤードを6番アイアンでピンの左2メートルにピタリと止めたのだった。どよめきが起きた。慎重にラインを読んだ金子選手のパットは、正面からカップイン。通算13アンダーとなる逆転のバーディパットを決め、金子選手がチャンピオンに輝いた。グリーンを上がると、お約束の(?)シャワー祝福。その中には笑顔の牧選手も混じっていた。
金子選手には優勝賞金500万円と副賞の荘川高原リゾートホテル宿泊券が贈られた。今年春の愛知県オープンでプレーオフを制し優勝、5月には関西オープンでツアー初優勝を果たしている。この中部オープンの優勝で、金子選手はオープン3勝目となった。
また、アマチュアの部は2日目トップの清本貴秀選手(養老CC・福井工大福井高2年)が今日を69ストロークで周り、通算3アンダーでベストアマを獲得した。
成績
総合の部
優勝 金子駆大(NTPホールディングス) 200=66、69、65(34、31)
アマチュアの部
優勝 清本貴秀(養老CC) 210=69、72、69(36、33)
2位 水谷海琉(いわむらCC) 216=69、74、73(35、38)
3位 加藤金次郎(JGAジュニア) 217=72、71、74(37、37)
3位 滝田詠夢(三重県連) 217=71、72、74(37、37)
ベストスコア賞(各日10万円)
1日目 63 石渡和輝
2日目 65 牧司、水田竜昇
3日目 65 金子駆大、牧司
<インタビュー>
今季好調を見せつけ、圧巻の逆転劇
優勝
金子駆大 選手(NTPホールディングス) 200=66、69、65(34、31)
現在レギュラーツアーで賞金ランキング3位の金子選手が決勝の土壇場で見事に実力を見せつけた優勝だった。首位と1打差の3位タイからスタートした金子選手は「まず追いつこう」という思いだったという。追いかける相手が途中から中山選手、久保田選手から牧選手に変わったが、思いは同じ。そして、15番パー5で「ここで獲らないと」と290ヤードの第2打を7Wでエッジまで運び、寄せてバーディを奪った。この辺りから金子選手の集中力は増していく。16番をパーセーブすると、続く17番(400ヤード、パー4)で第1打を7W、残り150ヤードをPWでピンの左3メートルのベストポジションに乗せた。これを沈めてついに首位に並んだ金子選手は、「バーディを獲るために」ドライバーを握った。球は右ラフに行ったが「想定内でした。セカンドが狙える場所なので良かった。残りは185ヤード、6アイアンでピンに近ければいいと思って振りました」。そして、その球はピンの左2メートル、下りのスライスラインだった。
初日から調子はそれほど良くはなかった。「初日と2日目は見直しているスイングを意識しながら回っていたけど、今日は球に集中しました。そうしたら、後半から全体に良くなってきて、パットも入るようになった。勝てて嬉しいです」と中部オープンの勝利を喜んだ。
プロ4年目の今年はレギュラーツアーシード選手として常に上位に食い込み、5月の関西オープンで劇的なツアー初優勝を飾った。3月に愛知県ゴルフ連盟主催の愛知県オープンに勝ち、「今年はツアー優勝して、賞金王も目指す。海外のQTも受けたい」と抱負を語っていた金子選手のストーリーは着実に近づいているように思える。
ベストアマ
優勝
清本貴秀 選手(養老CC・福井工大福井高2年) 210=69、72、69(36、33)
通算1アンダーのアマトップでスタートした決勝日、3番パー4、5番パー3でボギーとして通算1オーバーに落としたが、7番パー5でバーディ、さらに後半は10番パー5、12番パー3で50センチに乗せ、13番パー4では手前6メートルからのバーディパットを決めて、通算3アンダーでフィニッシュした。「アイアンが良かった。パッティングは普通かな。3日間で一番いいプレーができたことと、これまではどこかで大きく崩す日があったけど、3日間でアンダーで回れたことが嬉しいです」初めてのベストアマに笑顔の清本選手は、その要因として、パッティングの変化を挙げた。このところ、パットを打つときに「プルプルする」というか、「イップスではないけど何か緊張する感じがあった」そうだが、今大会ではそれが出なかった。「気持ちの問題だとは思うけど、何も考えないようにした。決めたラインを信じて打った。グリーンの転がりが良かったので、安心して打てたこともあると思います」。何かをつかんだ清本選手のこれからが楽しみ。ちなみに松山茉生選手とは 同学年で寮では同室の仲良しである。
2位
水谷海琉 選手(いわむらCC・中部第一高3年) 216=69、74、73(35、38)
中部オープンは2度目の出場で初めての予選通過だった。「今日は課題としては、アイアンの精度とショートゲーム、パッティングです。パットは入る日と入らない日の差が激しいので、そこを磨いていきたい」。
3位
加藤金次郎 選手(JGAジュニア・瀬戸市立水無瀬中3年) 217=72、71、74(37、37)
「今日は3ボギー、バーディはゼロでした」。ベストアマや総合での上位を狙っていた加藤選手だったが思うような結果にはならなかった。現在、中学3年生の加藤選手は今年のQTを受ける予定で準備を進めている。今月中旬にタイへ行き、中村映禅コーチにレッスンを受ける。8月には先日出場したツアーで高校生以下の最上位アマにより資格を得たR&A主催のボーイズアマチュア選手権(アイルランドで開催)に出場する。
3位
滝田詠夢 選手(三重県連・代々木高3年) 217=71、72、74(37、37)
決勝日は堀川未来夢選手と同組で回った滝田選手。「とても勉強になりました」と自分のスコアもさることながら、堀川選手の5バーディ、1ボギーのプレーを間近で見られたで大いに刺激を受けたようだった。
総合2位&ベストスコア賞
牧司 選手(フジケン) 201=71、65、65(32、33)
2日目、3日目と続けての65をマーク。2日間とも6バーディ、ボギーフリーだった。決勝は最終組から2組前でスタートし、前半に3バーディを奪って通算9アンダーに伸ばし単独首位に立った。後半も順調にバーディを重ねて通算12アンダーまで伸ばした。優勝は最後に逃したが、素晴らしいプレーで皆を魅了した。「今日は一日、緊張することなくできました。同組の大内(智文)選手は普段からよく知っているし楽しく回れたのも良かったです。駆大は本当に上手い。(負けたのは)しかたないですね」と振り返った。牧選手は昨年プロテスト合格の28歳。プロになるまでは少し時間がかかったが、出場権利がおりてきた日本オープンで思う存分に力を発揮して欲しいものだ。
総合3位&ベストスコア賞(2日目)
水田竜昇 選手(スプリングフィールドGC) 204=72、65、67(34、33)
「いいスコアが出て取材を受けた翌日の最終日もまずまずのスコアで回れました。取材を受けると次の日に崩れるという僕のマイナスなジンクスは少し払拭できたかなあ」
ベストスコア賞
石渡和輝 選手(フリー) 207=63、73、71(37、34)
第1日目を63で回り、ベストスコア賞を獲得した。決勝は5バーディ、3ボギー、1ダブルボギーのイーブンパーで総合11位タイだった。
<会場フォト>