中部ジュニア本戦 2R成績表、速報記事、インタビュー掲載
2025.07.25
2025年度(第50回)中部ジュニアゴルフ選手権競技本戦
開催日/2025年7月24日(木)25日(金)
会場/東名古屋カントリークラブ(西コース)
第2日
第50回中部ジュニアゴルフ選手権競技
2025年7月24日(木)・25日(金)
会場/東名古屋カントリークラブ(西コース)
距離/男子 7010yds、女子6320yds ともにPar72
参加人数/合計120名
男子15歳〜17歳の部 44名(うち欠場1名)
女子15歳〜17歳の部 28名
男子12歳〜14歳の部 24名
女子12歳〜14歳の部 24名
天候/1R 晴れ、2R 晴れ
猛暑の決勝日。
高校生は男女ともに初日からの逃げ切りV
男子15歳〜17歳の部 清本貴秀 選手(福井工大福井高2年)通算6アンダー
女子15歳〜17歳の部 中山凜花 選手 (中部大第一高2年)通算8アンダー
中学生男子はプレーオフ決着。女子は首位タイから抜け出す
男子12歳〜14歳の部 白川統太郎 選手(北名古屋熊野中3年)通算4アンダー
女子12歳〜14歳の部 中山愛星 選手(名古屋守山北中3年)通算イーブンパー
昨日に続く猛暑日となった第50回中部ジュニアゴルフ選手権競技の決勝ラウンドが終了した。
朝6時30分のティーオフ、前半が終わった後の30分間のクーリングタイムは今日も同じで、選手の熱中症対策が講じられた。
痛いほどの陽射しも昨日と同じだったが、風が吹いたことと太陽が雲に隠れて日影ができるとホッとできた。
各部門ともに競技は順調に進んだ。優勝及び日本ジュニア出場権を目指して熱戦を繰り広げた選手たち。難度を増したホールロケーションもあって、スコアメイクはなかなかに難しかったようだが、どの部門ともにヒリヒリする攻防が繰り広げられた。そして、表彰式は部門ごとに行われた。CGAの入賞3位までのほか、高校生は5位までの選手に、中学生は3位までの選手に、東海テレビ・中日新聞社から賞状が贈られた。
◆男子15歳〜17歳の部◆
前半を終えた時、最終組の清本貴秀選手、松岡太陽選手、滝田詠夢選手が2アンダーをマークし、それぞれ通算7アンダー、6アンダー、3アンダーに、水谷海琉選手はイーブンパーで通算4アンダーで折り返した。前の組では、2組前の申東宙選手が1アンダーで通算2アンダーに、1組前の宇苗蒼空選手と濱口紘選手が通算1アンダーで続いていた。後半に入ると、清本選手と水谷選手が接戦を演じ、清本選手が1打差をキープして逃げ切った。3位に申選手が浮上した。
入賞
優勝 清本貴秀(福井工大福井高2年) 138=67、71
2位 水谷海琉(中部大第一高3年) 139=68、71
3位 申東宙(桜丘高(愛知)3年) 140=71、69
★通算150ストロークまでの19人が日本ジュニアゴルフ選手権競技の出場権を獲得した。タイが生じたため最終日ラウンドスコアにより決定した。
◆女子15歳〜17歳の部◆
初日に7アンダーというビッグスコアをマークした中山凜花選手が、途中で信藤希選手に1打差まで迫られたが、後半の連続バーディで突き放し、完全優勝とした。
優勝 中山凜花(中部大第一高2年) 136=65、71
2位 信藤希(福井工大福井高2年) 138=70、68
3位 平山心暖(中部大第一高2年) 141=72、69
3位 松山莉子(誉高1年) 141=71、70
5位 伊藤せあら(ルネサンス豊田高2年) 142=71、71
5位 神谷ひな(麗澤瑞浪高3年) 142=71、71
★通算148ストロークまでの15人が日本ジュニアゴルフ選手権競技への出場権を獲得した。
◆男子12歳〜14歳の部◆
140ストロークで並んだ白川統太郎選手と高柳大河選手のプレーオフに突入した。高柳選手からのティーオフとなった1番パー5、2番パー4をともにパーとしてドロー、3ホール目となる3番パー3で、高柳選手がグリーン左に外したのに対し、白川選手はピンの右3.5メートルにオン。高柳選手のアプローチはカップに届かず。続いて白川選手がきっちりカップに沈めバーディとして勝負が決まった。
入賞
優勝 白川統太郎(北名古屋熊野中3年) 140=70、70
2位 高柳大河(鳴海中2年) 140=72、68
3位 七澤謙太(大門中3年) 143=69、74
★通算151ストロークまでの8人が日本ジュニアゴルフ選手権競技への出場権を獲得した。
◆女子12歳〜14歳の部◆
初日首位タイの中山愛星選手と西池望結選手がデッドヒートを続け、前半17番で西池選手が1打リードしたが、後半3番で2人が再び並ぶ。続く4番で西池選手がボギーで後退、中山選手はその後2バーディを奪って首位に立ち、そのまま優勝した。2位には初日3位の寺町美友海選手が今日を2アンダー70ストロークでまわり、食い込んだ。
入賞
優勝 中山愛星(名古屋守山北中3年) 144=71、73
2位 寺町美友海(聖霊中2年) 145=75、70
3位 木下陽菜子(津久居中2年) 146=72、74
3位 西池望結(津久居西中2年) 146=71、75
★木下陽菜子選手がシード権を持っているため、通算151ストロークまでの8人が日本ジュニアゴルフ選手権競技への出場権を獲得した。
<インタビュー>
◆男子15歳〜17歳の部◆ アウトからスタート
優勝
清本貴秀 選手(福井工大福井高2年) 138=67、71(34、37)
初日を5アンダーで首位発進した清本選手は、前半1番で3メートルのイーグルパットを外し、4番で50センチ、7番パー5で7メートルから2パットと3つのバーディ、8番でボギーの2アンダー、通算7アンダーで後半に向かった。11番バーディの後、13番でボギー、さらに16番パー4で第1打を右にOBにしてしまいダブルボギーで通算5アンダーに落とした。この時、同組の水谷選手がボギーとして、依然1打をリードしていた。そして、最終18番パー5、清本選手も水谷選手もバーディ締めとし、1打を守りきった。
7月上旬に行われた中部オープンのベストアマに続いて、中部ジュニアの初優勝。「今日の前半はパッティングが全部ショートだったけど、マネジメントはうまくいきました。優勝は嬉しいです。それに最近はウッドはドローにしているんだけど、ロングアイアンもドローに変えたら、案外うまく当たっていて、いい感じなんです」。そんな話を、表彰式会場でしていると、そこに寮で同室の松山茉生くんから祝福のLINE電話が入った。松山選手はナショナルチームのメンバーとしてカナダアマ出場のため、合宿先のアメリカから現地の空港に着いたところだった。「ありがとう。じゃあまたカナダ頑張れ」と清本選手。仲良しでライバル。お互いの存在が切磋琢磨の原動力につながっていると感じられたひとときだった。
2位
水谷海琉 選手(中部大第一高3年) 139=68、71(36、35)
首位と1打差からのスタート。前半を終えて、最終組の中で一人だけイーブンパーの通算4アンダーで折り返し、後半の巻き返しが必要だった水谷選手。後半を2バーディ、2ボギーのイーブンで迎えた最終18番でバーディ、通算5アンダー、首位とは1打差だった。「今日はショットがあまりつかなかった。パー5を全部バーディにできたのはまあ良かったですけれどね。中部オープンでキー坊に負けて、今度も2位。悔しいですが、日本ジュニアで頑張ります!!」。このところゴルフの内容に安定感が増して、好調が続いている水谷選手が日本ジュニアでどんな闘い方を見せてくれるのかとても楽しみである。
3位
申東宙 選手(桜丘高(愛知)3年) 140=71、69(35、34)
首位と4打差の4位タイからスタートした申選手は、前半を2バーディ、1ボギーの35として通算2アンダーで折り返し、この時点で首位とは5打差だった。しかし、後半に入り、申選手は10番、11番、16番と3バーディを奪取して通算5アンダーに伸ばした。「後半はパットがよく入って、後2ホールで2つ伸ばせば7アンダーで追いつけるかもしれないと思ったんです。でもその17番でティーショットをOBにしてしまって、ボギーで収めることはできましたが、残念でした」といつもの笑顔で振り返ってくれた。
◆女子15歳〜17歳の部◆ インからスタート
優勝
中山凜花 選手(中部大第一高2年) 136=65、71(35、36)
初日に7アンダーをマークして飛び出した中山選手は、決勝で5バーディ、4ボギーの71ストロークで首位を守り、完全優勝した。前半は1バーディ、1ボギーのイーブンで2位の信藤選手とは4打差あったが、後半にボギーが続き、6番でついに1打差まで迫られた。「残り3ホールで1打差になって、焦りました。でも、次の7番で4.5メートルのフックラインのバーディパットが入って、その次の8番でも手前から4.5メートルのスライスラインが決まりました。今日はバンカーの目玉とか木にも2回ほど当てたし、辛い内容でしたが、親友の(信藤)希と最終日最終組で一緒に戦えて嬉しくて、ワクワクした気持ちに変えてプレーできたのが良かった」と今日の目標にしていたアンダーパーでホールアウトしたことを喜んだ。中山選手は先日の日本女子アマで予選落ちした悔しさを、今度は日本ジュニアでリベンジする。
2位
信藤希 選手(福井工大福井高2年) 138=70、68(33、35)
「朝はものすごく緊張してました。特に最初にティーショットで失敗することが多く、今回も心配したけれど、フェアウェイに打てたので平常心でスタートできました」と振り返った信藤選手は、この日、6バーディ、2ボギーの68をマークした。首位と5打差でスタートし、前半に4打差に縮めると、後半の6番でバーディを奪ったところで1打差にまで追い詰めた。しかし、差は縮まらず、最終9番でピンの下4メートルからのバーディパットを決めたが、2打差の2位で大会を終えた。「今日は得意なアイアンショットが良かったし、難しいピン位置の中で6バーディが取れたのが良かった。何より痛みを感じずに回れたのがいちばん」と安堵の表情。というのも、腰椎分離症を発症して、今年の2月から5月までゴルフを休止。5月中旬の中部女子アマに出場したが途中棄権、今回の中部ジュニアが完全復帰戦となったからだ。三重県から福井工大福井高校に進学し、寮生活を送っている。「自立できてるかなと思います。ゴルフ部は練習環境がいい。20ヤードのアプローチ練習がたくさんできるのもいいです(笑)」
◆男子12歳〜14歳の部◆ アウトからスタート
優勝
白川統太郎 選手(北名古屋熊野中3年) 140=70、70(35、35)
首位と1打差の2位タイからスタートし、前半2バーディ、1ボギーの35で通算3アンダー。この時点で同組で首位スタートの七澤謙太選手、一つ前の組の高柳大河選手の3人が首位タイで並んでいた。そして、後半11番パー5でバーディ奪取した白川選手が、通算4アンダーとして抜け出した。が、最終18番で高柳選手がバーディパットを決めたのを後ろから見ていた白川選手は、「状況はわからなかったけど、もしかしたら並んだのかもしれない」と思い、第1打、第2打ともに2Uで残り60ヤードまで運び、第3打を50度でピンの奥4メートルにつけた。バーディパットが入っていたらプレーオフはなかったが、2パットのパーでプレーオフに突入したのだった。
プレーオフは3ホール目の3番パー3で9アイアンでピンの右横3、5メートルにつけ、バーディパットを決め切っての優勝。白川選手は「今日はアプローチで寄せてパー、というのが結構あったけど、乗らなくてもボギーを取らないようにアプローチできる場所を意識してショットを打ちました。その作戦がうまくいったと思います。去年は最終ホールでボギーを打って負けたので、リベンジができました。最高の気分です。今日一日苦しかったけど、勝ちきれて良かった!!」
2位
高柳大河 選手(鳴海中2年) 140=72、68(33、35)
首位と2打差で、最終組の一つ前からのスタートとなった高柳選手は、前半で4バーディ、1ボギーの33で首位に追いついた。が、後半10番で3パットのボギーを打ち、通算2アンダーに。14番で1メートルのバーディパットを沈め通算3アンダーとする。そして、18番。270ヤードの第2打を3Wでフルスイングすると、左のガードバンカーにつかまった。56度で打った第3打はピンの左奥5メートルにつき、その難しいフックラインを見事に流し込んでバーディを奪ったのだった。後続の白川選手とのプレーオフは、2ホール目の2番でピン左4メートルからのパッティングだった。球はカップに届いたがピンをくるりと回って入らなかった。3ホール目はグリーン左に球がこぼれ、決めきれなかった。「プレーオフは全国小学生以来2回目です。あの時は勝ちましたが、今回はダメでした」と悔しさいっぱいの高柳選手。実はこの大会の前に、アメリカのサンディエゴで毎年行われているIMGA世界ジュニアに日本代表で出場した高柳選手は、男子13歳〜14歳の部で3位入賞を果たし、7月12日に帰国したばかりだった。「あっちでも優勝を逃して悔しい思いをしたけど、ここでも勝てなかったのは、まあまあ悔しいです」。中2で負けたリベンジは中3で!! その前に日本ジュニアが待っている。
◆女子12歳〜14歳の部◆ インからスタート
優勝
中山愛星 選手(名古屋守山北中3年) 144=71、73(35、38)
初日に1アンダーで西池選手と首位タイで決勝日を迎えた。出だしの10番で、第1打を大きく左の方に曲げ、暫定球を打った。だが、最初の球がセーフで一旦フェアウェイに出し、7番アイアンで乗せ、ワンパットのバーでおさめた。「ボギーでもいいと思ってたのでパースタートできてラッキーでした」と中山選手。その後、17番でボギーを打ち、西池選手が1打リードする。後半に入り、3番で中山選手がボギー、西池選手がダブルボギーとして通算2オーバーで再び並んだ。続く4番で西池選手がボギーでスコアを落とすと、5番と8番でで中山選手がバーディを奪い、勝利を決めた。「全体としてはショットが良くなくて、ずっとギリギリの感じだった。朝から心臓がドキドキしてました。その代わりにアプローチとパットが良かったです。ドキドキが落ち着いたのは8番でピンの右からのスライスラインが入ってからです。勝てて良かった」。ひとホールずつを思い出しながら、緊張した中でプレーを続けたことを教えてくれた中山選手は、日本ジュニアは初出場となる。ちなみに女子15歳〜17歳の部で優勝した中山凜花選手とは姉妹である。