中部オープン 第3日 成績表、記事 掲載しました

2021.07.15

2021年度(第50回)中部オープンゴルフ選手権競技

 

開催日/2021年7月13日(火)~15日(木)

会場/名古屋ゴルフ倶楽部和合コース

 

第3日成績表

 

 

2度の雷中断、合わせて3時間40分、

さらにプレーオフ4ホールを制したのは、

上井邦裕プロ(三好CC)。

2008年以来、13年ぶり2度目の優勝。

 

ベストアマは、湯原光選手(西陵高)。

 

第50回中部オープンゴルフ選手権競技
2021年7月13日(火)〜15日(木)
名古屋ゴルフ倶楽部和合コース 6557yd Par70
参加人数/120名
天候/第1日 晴れ、第2日 曇り時々晴れ、第3日 晴れ一時雨

 

第50回中部オープンの3日間が終了した。3日目の今日は、とても長い1日となった。
昨夜から降った雨は朝6時には止み、青空が広がる絶好の天候になったと思われた。しかし、突然の雷雲接近による中断のサイレンが鳴ったのが11時30分。最終組が8番ホールをホールアウトしたところだった。30分ほどで中断が開けると思われたが、次々に雷雲が近づき、再開のサイレンが鳴ったのは実に2時間40分後の14時11分。ところが、再開したのもつかの間、すぐにまた雷雲が近づき、14時25分に2度目の雷中断。再開は1時間後の15時25分だったが、激しい雨も降って、グリーン上に水が溜まるホールも現れていたため、競技委員たちがロールドライを試みるなどコンディションを整えた。
2度の中断を合わせると、なんと3時間40分。選手たちの疲労感は、はたから見てもよくわかった。
 

再開のサイレンを鳴らす内田競技委員
 

競技は、2日間の予選ラウンドで首位に立った通算9アンダーの大西魁斗プロ(フリー)と、2打差の通算7アンダーに上井邦裕プロ(三好)と甲斐慎太郎プロ(国際スポーツ振興協会)が最終組。その前に、通算6アンダーの森本雄プロ(フリー)と谷岡達弥(CRC白山ヴィレッジ)、通算5アンダーの石坂友宏プロ(日本ウェルネススポーツ大学)。さらにその前に、通算5アンダーの大内智文プロ(レイクグリーンGC)、通算4アンダーの小浦和也プロ(フリー)、通算3アンダーの小野田享也 プロ(浜名湖CC)だった。

 

最終組は、1番で大西と上井がバーディ発進。2番で甲斐がバーディ。と順調にスコアを伸ばすかと思ったが、最終日らしい難しいピンポジションにも阻まれ、その後はパーセーブが続く。5番で甲斐がダブルボギーで通算6アンダーに。大西、上井の二人はバーディチャンスを逃すなどパーを続ける。7番で甲斐がバーディパットを沈め、通算7アンダーに戻した。8番を終えたところで、1度目の中断が入る。再開後、9番のティーショットで、大西プロが左の林の木に直撃するトラブル。球探しをしたがロストと決まった直後に、2度目の中断サイレンが鳴った。約1時間の待ちの後は打ち直しの1打から。結局ここでダブルボギーとなり通算8アンダー。上井はグリーン右のバンカーから絶妙のショットでピンそばへつけパーセーブ。通算8アンダーで前半を終えた。

 

折り返し時点で、首位は通算8アンダー。大西、上井に加え、2つ前の組の大内が3つ伸ばしていた。1打差の7アンダーに、甲斐、森本の2人がいた。
後半に入り、大内がバーディで通算9アンダーとし一時は単独首位になったが13番でボギーを打ち、再び首位は8アンダーに。さらに前の組の石坂が後半に3バーディを奪取し、4人が首位に並ぶ混戦状態となったが、その均衡が破られたのが16番だった。上井が山越えを狙って成功、バーディを奪って9アンダーに伸ばしたのだ。大内が8アンダー、石坂が7アンダーでホールアウトしたため、最終組の上井が逃げ切るかに注目が集まった。
18番(435yd、パー4)はフォローの風。上井はグリーン奥へ、大西はピン手前6メートル。先にパッティングした上井はショートして1.5メートルを残した。大西は後半初めてのバーディパットをここで決めガッツポーズ。9アンダーに追いついたのだ。上井がパーで、勝負はプレーオフに突入した。

 

プレーオフは18番の繰り返しだった。時間はすでに18時前。プレーオフは2ホールを終えてもドローで、ピンポジションが新しい場所に替えられた。3ホール目もドロー。日没が気になる4ホール目。上井のティーショットは左のファーストカット、大西はフェアウェイ真ん中。第2打、上井はピン右8メートルほど、大西はピンをオーバーしグリーンからこぼれた。先に打った上井のバーディパットは勢いよくピンを1.5メートルオーバーしてしまう。チャンスの大西だったが、アプローチショットは2メートルを残すショート。それを決められず、上井のパッティングを待つことに。上井は、それを慎重に沈め、勝負あり。2008年レイクグリーンCC大会で勝利して以来、2度目の中部オープン優勝。25歳だった上井プロは今年38歳。13年目の嬉しい優勝となった。
この、手に汗握る攻防はCBC放送のインターネット生配信により、多くの人に届けられた。

 

上井プロには賞金500万円と、日本オープン出場権、秋のバンテリン東海クラシック出場権、そして、来春の中日クラウンズの出場権が贈られた。

 

また、ベストアマチュアは、通算3オーバーで並んだ服部雅也選手(中部学連・中部学院大3年)と湯原光選手(岐阜国際CC・西陵高3年)のプレーオフになり、1ホール目で湯原選手が制した。

 

◆ベストスコア賞◆
第1日 64 大西魁斗
第2日 64 石坂友宏、甲斐慎太郎
第3日 65 伊藤慎吾

 

<インタビュー>

 

「気持ちを最後まで切らさずにできた」
上井邦裕(三好) 優勝 201=68、65、68(34、34)

プレーオフ4ホール目で、2度目の中部オープン覇者となった上井。2週前の日本プロゴルフ選手権の初日に左足を痛めて棄権、先週のアベマツアーも休んだが、今週は意を決して出場した。というのも、8月1日の日本オープン予選会に出場したくなくて、中部オープン5位以内の枠を狙ってきたのだ。「実は予選会の日に別の約束があって、なんとかここで決めたかった」と上井。最終予選どころか、日本オープンの出場権を獲得でき、ホッとできたはず。「ゴルフの調子は良かったんだけど、なんだか気持ちとあってないというか、やる気が出ないというか、そういう状態だった。これまでお世話になってきた橋元さん(橋元運輸社長の橋元幸次さん。中部学連の理事も長らく務めてこられた方だが、今年逝去された)のことを思って、勝った姿を見せたいというか、その想いがずっと頭にありました」。
3日間のスコアメイクにはパッティングをアームロックに変えたこともあった。「ようやく馴染んできた」。勝ち切った上井、次は再来週の秋田だ。
 

 

2位
大西魁斗(フリー) 201=64、67、70(36、34)

予選ラウンド2日間とは違い、決勝日は思うようにバーディを重ねられなかった。1番でグリーンを狙ってショートカットし、花道から寄せて1パットのバーディを奪ったが、2番から8番までバーディパットを決めきれずパーセーブ。雷中断後にダブルボギーとした9番での左OBはこの日の唯一のミスショットと言っていいほどで、後半もバーディパットが決まらないホールが続いた。1打リードされた17番では、カップを外したバーディパットに、穏やかだった大西が帽子を膝に叩きつけて悔しさを表現した。しかし、その直後の18番で、大西は6メートルのバーディパットを鮮やかに沈め、今度は歓喜のガッツポーズ。その湧き出る感情表現に、小学生からアメリカで育ち、身についたスタイルを垣間見た。
「全体的には良かったので、この結果は仕方ないかなと思います。今日はショットは良かったけどパットが入らなかった。長い中断の後、ウォームアップができないままにショットしたので曲がりましたけど、あそこはもったいなかったですね。それでも、楽しかった」と、試合後に爽やかな笑顔で語った大西は、急いで、翌日(金曜日)開催の北陸オープン試合会場の富山県へ。ちなみに大西は金曜日7時50分のスタートだった。
 


 

3位
大内智文(レイクグリーンGC) 202=67、68、67(32、35)

 

4位タイ
石坂友宏(日本ウェルネススポーツ大学) 203=71、64、68(35、33)

 

4位タイ
甲斐慎太郎(国際スポーツ振興協会) 203=69、64。70(35、35)

「疲れましたあ。5番で3パットのダブルボギーはもったいなかったなと思います。バーディチャンスが少なかった。手の感覚と自分のストロークができていませんでしたね。でも、3日目に崩れなくてよかった。」。

 

◆アマチュアの部◆
予選ラウンドで通算1アンダー・アマトップでスタートした鈴木千貴選手(サン・ベルグラビアCC、大阪学院大2年)が75を叩いてしまい通算4オーバーとなったため、通算3オーバーで並んだ湯原光選手と服部雅也選手がプレーオフで勝敗を決めることになった。プレーオフは、10番からのサドンデスで、その1ホール目。湯原選手の第1打はフェアウェイに対し、服部選手は大きく左に曲げて隣の18番ホールの方へ。第2打はそこからグリーン手前まで運ぶのが精一杯。第3打のアプローチも寄せきれなかった。一方、湯原選手の第2打はピンの上5メートルにオン。服部選手はパーパットを沈めることができずにボギーフィニッシュ。湯原選手は2パットのパーで決着した。

 

ベストアマチュア
湯原光選手(岐阜国際CC・西陵高3年) 213=72、72、69 (総合39位T)

「プレーオフでオンしたところは、実は本戦でも同じようなところだったんです。本戦では勝負に出てピンオーバーし3パッとしていたので、プレーオフではちょっとビビって打ちました。それでショートしたんですけど」と教えてくれた湯原選手。そもそも、最終ラウンドは、通算4オーバーとアマチュア6位の成績で、いわゆる裏街道のインスタートだったが、前半の10番でボギー発進の後、11番バーディでバウンスバック、後半の1番、2番を連続バーディとしたところで雷中断となった。再開後はボギー1つで堪え、69でホールアウト。通算3オーバーがアマトップと聞いて、驚いたような顔をしていた。
すらりとした湯原選手は高校3年生で、中学生の頃からCGA強化指定選手に選抜されている。先月の中部アマチュアでは優勝争いを最後まで繰り広げた。ただ、今大会では、1日目の後半くらいから腰が痛くなったのだとか。接骨院で診てもらい湿布を貼りながらのラウンドだった。「2日間は軽く振ってましたが、腰痛も今日は軽くなってきていました。前半は我慢のゴルフ、後半はバーディパットを外したりしたけど、アマ優勝は嬉しいです!!」

 

服部雅也選手(中部学連・中部学院大3年) 213=69、71、73 (総合39位T)
初日は6バーディ、2ボギー、1トリプルボギーの1アンダーでアマのトップとなった服部選手だが、2日目に1オーバーで通算イーブンパー・アマ2位に、そして3日目は3オーバー73で通算3オーバーでホールアウトした。「今日はショットが良くなかったけど、パットが良かった。でも、今日も誰かに抜かれちゃうかな」と倶楽部から出た後に「プレーオフかも」の連絡を受け、戻ってきた。プレーオフ1打目で隣ホールまで曲げてしまい万事休す状態だったのも致し方なかったかも。

 

<会場フォトギャラリー>

 

虹、出現