中部グランドシニア 成績表 速報記事を掲載しました

2021.09.10

2021年度(第49回)中部グランドシニアゴルフ選手権競技

開催日/2021年9月10日(金)

会場/三重カンツリークラブ

 

成績表(PDF)

 

 

ルーキーの野田正伸選手(四日市CC)が
74をマークし、初優勝

上位14人に、日本グランドシニア出場権。

 


第49回中部グランドシニアゴルフ選手権競技
2021年9月10日(金)
会場/三重カンツリークラブ 6216yd Par72
参加人数/112名(うち欠場8名)
天候/快晴

 

朝から青空に御在所岳が美しく映えた三重カンツリークラブで、2年ぶりの中部グランドシニアゴルフ選手権競技が開催された。

 

厳しい予選を勝ち上がってきた70歳以上のグランドシニア世代104人が出場した今回。最年長は、85歳の小林秀雄選手(名阪チサンCC)、今年80歳以上となる選手は小林選手を含め5人、また、ルーキーイヤーを迎えた1951年生まれの出場者は15人だった。今大会の出場者のうち、先週の中部ミッドシニアゴルフ選手権競技(呉羽CCで開催)に出場していた選手も多く、どの人も年齢を感じさせないタフな体や心の持ち主。それもゴルフを続けてきた恩恵なのかもしれない。

 


 

雲ひとつない快晴、汗ばむほどの陽気のもと、競技は順調に行われ、最初の組がアテスト会場にやってきたのは12時だった。グリーンの難しさに定評のある三重CCだけに、優勝スコアや日本グランドシニアのカットラインは予想がつきにくかった。

まずは、イン2組の水野憲治選手(加茂GC)が75ストロークで首位に立つ。続いて、アウト6組の春日井修選手(ニューキャピタルGC)と矢田義孝選手(三重CC)が揃って75をマークし、3人が並んだ。このままならプレーオフ、という状況は、その後もずっと続き、1時間以上が経過。各選手も関係者も準備をしかけた時に、ついに1打上回る74ストロークが現れた。イン13組の野田正伸選手(四日市CC)だった。穏やかな表情が印象的な野田選手は70歳のグランドルーキー、これまであまり競技に出てこなかったとのことで、優勝と聞いて、「本当に? 信じられない」と驚いた様子だった。ちなみに、最終組だった武山良一選手(中部日本パブ)が75だったため、もしプレーオフが行われることになったら4人の戦いであった。

 

◆今大会に出場の80歳以上の選手に、クォリファイ賞が贈られた。(敬称略)

小林秀雄(名阪チサン)85歳  91=43、48
西村衛(西尾GC) 84歳  90=44、46
井上量博(フクイCC) 81歳  82=41、41
吉川廣司(岐阜北CC) 79歳  85=40、45
鈴木正臣(南山CC) 79歳  92=46、46

 

 

難しいコースコンディションの中で、70台をマークした選手は実に21人。その結果、78ストロークまでの14人が日本グランドシニアゴルフ選手権競技への出場権を獲得した。(タイが生じたため、マッチングスコアカード方式により決定された)
日本グランドシニアは11月11日(木)・12日(金)に兵庫県の垂水ゴルフ倶楽部で開催される。

 

◆成績◆上位入賞者(敬称略)

 

優勝 野田正伸(四日市CC) 74=36、38
2位 春日井修(ニューキャピタルGC) 75=40、35
2位 矢田義孝(三重CC) 75=38、37
2位 武山良一(中部日本パブ) 75=36、39
2位 水野憲治(加茂GC) 75=36、39

 

<インタビュー>

 

「日本に行きたいなあと思ってたけど、まさか、優勝とは」
優勝
野田正伸選手(四日市CC) 74=36、38

「75のプレーオフ」を1打縮め、74で見事に初優勝を飾った野田選手は70歳のグランドルーキー。インからスタートし、出だしの10番(344ヤード、パー4)でいきなり3パットのボギーとする。その後、15番(424ヤード、パー4)と18番(331ヤード、パー4)でも3パットのボギー、途中、12番(436ヤード、パー5)、通称・二百三高地で、クリーク、クリークで2オン成功、バーディを奪取した。後半は、4番と8番でバーディ、1番と5番でボギーだった。「今日はセカンドの距離がちょっと合わなかったので、ドライバーを使わず、クリークとスプーンでいきました。それがよかったのかなあ」と振り返った野田選手がゴルフを始めたのが42歳の時だった。
遅めのスタートだが、そのきっかけは、腎臓がんの手術だったのだとか。「医者がリハビリのためにも運動をしてください、と言ったんですよ。それまで何もスポーツをしてこなかったので、どうしようかと思って、ゴルフを選んだというか・・・」そして、2年後に富士C可児C、四日市CCに入会。四日市ではクラチャン2回をはじめタイトルを獲得した。名古屋市内で学習塾を経営していた関係で、対外競技にはほとんど出場しなかった。64歳の時、今度は直腸がんの手術となり、3年間はゴルフができない日々が続いたのちに再開した。
「70歳になったし、一度日本の大会にも出てみたいなあ、と思ってスタートしましたけど、まさか優勝するなんて、信じられませんね」。身長180センチの大柄、ニコニコと柔らかな表情が素敵な野田選手のこれからの活躍が楽しみである。

 

中部のレジェンドは、エージシュート達成
2位
春日井修選手(ニューキャピタルGC) 75=40、35

矢田選手と同組でアウトからスタート。前半は2ボギー、1ダブルボギー、後半は2バーディ、1ボギーだった。「バーディは11番でチップインと、14番で4メートルの長めのが入った。でも、今日はパッティングが良くなかった。特に短いのを結構外してしまった。コロナで競技が去年から中止になってたからね、久しぶりのわりには上出来ですよ」と春日井選手。
これまで中部アマ4回、佐々部杯6回など、若い頃からの公式競技優勝が実に54回という春日井選手も75歳。今大会は久しぶりの公式戦だったが、しっかりとエージシュートを達成した。プライベートでは「数えるのはやめた」というほど達成しているが、意外なことに、競技では初めてのことだったとか。次は日本グランドシニアでぜひ!!

 

「三重カンの主」は惜しくもルーキー優勝を逃す
2位
矢田義孝選手(三重CC) 75=38、37

矢田選手は、知る人ぞ知る三重カン(三重CC)の主。これまでクラブチャンピオンは何十回と獲っているし、グリーンの形状はもちろん、隅から隅までコースを知り尽くしている選手である。その矢田選手がついにグランドシニアルーキーで出場した。そして、75ストロークの首位タイでプレーオフ寸前でするりと優勝が落ちてしまった。
アウトからスタートして、4バーデイ、5ボギー、1ダブルボギーと出入りの激しい内容だった。「今日は、出だしの1番から曲げて、ショットがバラバラだった。1番、2番と連続ボギーだったから、3番で6メートルのパーパットが入ってホッとしたよ。パッティングはよかったかな、全部で26パットだからね。やっぱりショットがダメだったわ」。試合を振り返って残念そうだった矢田選手は、今年の5月にこの三重CCで開催された第1回三重県グランドシニアではルーキー優勝している。


 

2位
武山良一選手(中部日本パブ) 75=36、39

「今日はアイアンが良かった。グリーンは難しかったね。バーディは一つだけ。最終の9番でピン奥2メートルからのスライスが入った」と最終組でホールアウトした武山選手。ゴルフ仲間の青木清治選手が78でカットラインが気になるという話をニコニコしながら聞いていた武山選手だったが、優勝に1打足りなかったことを知ると、「わあ、もったいなかったな〜」と悔しそうだった。

 

先週に続き、今週も上位。
2位
水野憲治選手(加茂GC) 75=36、39

インからスタートし、1ボギー、1ダブルボギーで折り返した。「後半はとにかく拾いまくり。バーディチャンスは1回ありましたが、外してしまいました」とオールパーでホールアウトした。「耐えたゴルフでした。初めての三重CCでしたが、グリーンの順目と逆目がはっきりしているから、それを間違えなければ良いんでしょうけど、難しかったです」と振り返った水野さんは、早々とホールアウトし、プレーオフに備えることになり、結局、最後まで会場にとどまったが、今大会でも日本グランドシニアの出場権を獲得したことをとても喜んだ。「これまで、全日本パブリックで優勝して日本シニアに出場したことはあったけど、自力ではなかったんです。だから、先週、日本ミッドシニアの出場権をもらったことがものすごく嬉しくて、帰りの車を運転しながら涙が出ました。これで日本グランドシニアにも行けるので、それだけでサイコーです」。ゴルフを始めたのが35歳ごろ。競技ゴルフはシニアになってからという水野選手、これからは、そのステディな水野スタイルでぜひ上位常連を!!

 

「先週のミッドシニアのリベンジができました」
6位
松井栄一選手(敦賀国際GC) 76=40、36

アウトからのスタートで、前半は4ボギー、後半は2バーディ、2ボギーだった。「グリーンが難しかったです。呉羽がすごく速かったので、スピードというより、ラインかなあ。バーディを狙ってボギーになってしまうので、精神的に参ってきますね」。今年からグランドシニアデビューのルーキーの松井選手は、先週の呉羽CCで行われた中部ミッドシニアで、2日目にスコアメイクできず、日本ミッドシニアの出場権に1打足りなかった。「先週は本当に悔しかった。初日がよかっただけにね。今日は76で通るかな」と最後まで心配をしていたが、当確ときいて、福井への帰路についた。

 

最年長85歳は、「まだまだ進化したい!」
小林秀雄選手(名阪チサン)85歳  91=43、48
「前半は力みました。特にウッドが悪かったかな。みなさんが良く飛ばすので、つい自分もと頑張ってしまって・・・」と小林選手。今大会、最年長の85歳は、飛距離215ヤードを「もっと伸ばしたい。これからも進化したい」と意欲たっぷり。今でも週に2回は練習場に、コースには月に5、6回は出かけているという。ホームの名阪チサンではインターの監督も務めている。「ここまでこれたことは良かったと思います。来年も予選を通って、本戦に出られるよう、練習を続けます」。

 

「エージシュートに足りなかった、残念」
井上量博選手(フクイCC) 81歳  82=41、41
「15番の長いミドルでトリプルを叩いたのが惜しかった。エージシュートを狙ってきたから、1打足りなかった」と悔しげ。3パットを4回もしたとも。
今大会はシード選手で出場した井上選手は81歳。グランドシニアの常連であるが、フクイCCでは長らくインターの監督を務め、今は理事長でもある。

 

<会場風景 フォトギャラリー>