中部シニア・本戦2R成績表 記事&フォト 掲載

2017.07.13

平成29年度(第51回)中部シニアゴルフ選手権競技第2日成績表 記事を掲載しました。

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平成29年度(第51回)中部シニアゴルフ選手権競技 本戦
開催日/平成29年7月12日(水)・13(木)
会場/片山津ゴルフ倶楽部(白山コース)
距離/6590ヤード PAR72
参加者人数
(第1日)164名(内棄権2名、欠場5名)、(第2日)102名(内棄権5名)

第2日成績表

佐々木清士選手(グランディ浜名湖)が通算5オーバーで逆転勝利。
日本シニア覇者が中部で嬉しい初タイトル。

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83ストロークまでの102人が出場した中部シニア決勝ラウンド。前日同様、夜のうちに雨が降ったものの朝には上がり、その後晴れて陽射しの眩しい蒸し暑い一日となった。
選手たちは優勝もさることながら、日本シニア出場権17人の枠を目指し、難関、片山津の白山コースにもう一度挑んだ。

コースセッティングはスティンプ11フィートと速く、しかも、決勝ラウンドらしく厳しいピンポジションのため、「ボギーが出始めると止まらなくなってしまう」「難しかった」「砲台グリーンなので、体力勝負。後半の上がり3ホールは特にはきつかった」など選手たちはかなり苦しめられたようだった。

DSCN5802今日の主導権を握ったのはやはり最終組だった。1アンダーで首位の神尾政好選手(平尾)、イーブンパーの藤井広文選手(桑名)、そして、1オーバーの佐々木清士選手(グランディ浜名湖)の3人。スタートホールは全員パーでそれぞれがいい感触をつかんだように見えた。が、続く2番H
(360Y、パー4)で神尾選手が第3打をショートしてガードバンカーへ入れ、そこから強めに出てしまいピン奥へ、2パットのダブルボギーとした。さらに続く3番H、4番H、5番Hを連続ボギーを叩き、あっという間に通算4オーバーと崩したのだ。藤井選手もパーキープを続けていたが、4番Hでグリーン手前からの第3打をショートしてカラーからの長いパットを入れられずダブルボギーとしてから調子が狂い始めた。一方、佐々木選手は安定したショットでピンを捉えてパーをキープし続けた。前半を終えたところで、首位は佐々木選手で通算1オーバー、藤井選手が通算4オーバーで2位、神尾選手は通算5オーバーと崩れたが他の選手たちも伸ばすことができず3位。同じく通算5オーバーに中村幸造選手(フクイ)、通算6オーバーには荒木和之選手(敦賀国際)、小野充雄選手(南山)、土岐明彦選手(富士可児)、藤浩一選手(日本ライン)が続き、2位以下が混沌とした状態になっていた。

DSCN5878後半に入り、スコアは目まぐるしく変化した。ホールを終えるたびに入ってくる情報で、日本シニアへの予想カットラインはどんどんと下がっていった。さらに、優勝の行方さえ分からなくなってきたのだ。というのも、最も安定していると思われた佐々木選手が11番H、12番Hを連続ボギーとし通算3オーバー、14番Hでバーディを奪うも、15番Hでダブルボギー、さらに17番Hでは池に落としボギーでおさめたが通算5オーバー、2位の藤井選手とはわずか1打差になり、いよいよ18番Hを迎えた。
藤井選手が先に第2打を放ち、ピン左10メートルほどにオン。佐々木選手は、グリーン奥のラフへ。さらに、そこからの第3打は寄せ切らず、ピンの上2メートルで止まってしまった。続いて藤井選手のバーディパット。しっかりとヒットした球はピンに向かっていったが、カップを超え70センチオーバーして止まった。多くのギャラリーが固唾を呑んで見守る中、佐々木選手の大事なパーパットの番となった。入れば優勝、外せばプレーオフもありという1打。佐々木選手の球は、トロトロと転がり、最後のひと転びでコロンとカップイン。この瞬間、第51回中部シニアの勝者が決まった。

優勝した佐々木選手は、2年前の2015年日本シニアで優勝を飾っているが、中部では昨年の中部シニアオープンのローアマがあるだけ。本戦での初タイトルをようやく獲得したことになる。

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今日の結果、日本シニアへは通算156ストロークまでの17人が出場権を得た。この中には、なんと、昨日のカットライン83ストロークで通称裏街道のインスタートの最終組から一気にごぼう抜きしてきた塚原誠選手(各務原)、今大会全出場選手のうち最年長に近い71歳の小川竹男選手(涼仙)もいる。日本シニアゴルフ選手権競技は、10月25日(水)〜27日(金)に栃木県の日光カンツリー倶楽部で開催される。

<表彰式風景>

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廣瀬1<インタビュー>

優勝
優勝したいと強く思って回ってました。
佐々木清士選手(グランディ浜名湖) 149=73、76(36、40)

th_DSC_0596前半を終えた時点で通算1オーバーで2位と3打差だった佐々木選手の圧勝を皆が予測した。ところが、ゴルフはそうすんなりとは進まないものなのだ。後半に入って、突然乱調気味になった佐々木選手。「昨日ひどかったドライバーもアウトはうまく直っていたし、セカンドショットもピンに向かっていて、このまま行けるかなと思っていたんですけどね。後半はバンカーにつかまりました。特に15番H(400Y、パー4)で、右バンカーからの第2打が出ただけ、次に8番アイアンで打ったらダフってグリーン奥へオーバー、アプローチも2メートルにしか寄らず入らずでダブルボギーにしてしまった。この時、藤井選手はバーディだったから、一気に3打縮まって、2打差になったんです。そのあとも17番H(176Y、パー3)で、U22度の第1打がこれもダフって池へ入っちゃいました。ボギーパットはワンピンの下りスライスラインでしたが、入った。ここで1打差でした。18番H(431Y、パー4)のパーパットも下りラインで入った。今日は、下りラインはどれも入っていたので妙に緊張することなく打てました」と、佐々木選手は笑顔で振り返った。
佐々木選手は、2年前の2015年度日本シニアチャンピオンだが、意外にも中部ではタイトルといえば、昨年の中部シニアオープンのベストアマのみ。「今日は勝つつもりで回っていたし、中部で勝ちたかったので嬉しい。やっと獲れました」。
掛川市在住の61歳。グランディ浜名湖以外にも静岡県の葛城GCや浜岡CCなど関西ゴルフ連盟加盟倶楽部にも所属しているため、クラブチャンピオン歴はなんと53回。仕事で対外競技には多くは出られなかったり、関西の競技に参加していたが、10年ほど前から中部を主軸にしている佐々木選手。「関東だと競技会場がすごく遠くて大変で、中部の方が出場しやすいんですよね」。日体大ゴルフ部時代に室田淳プロと同期、同年には日大の倉本昌弘プロや牧野裕プロが一緒だったそうだ。「この8月にファンケルに出られることになったので室田たちと会えます。楽しみです」と佐々木選手はニコニコしながらも「もちろん、今年の目標はもう一度日本シニアで勝つことです!!」。

2位
「17番Hのボギーパットであっちに女神がいったなあ」
藤井広文選手(桑名)  150=72、78(40、38)

DSCN5804藤井選手は、2年前の2015年全日本シニアパブリックアマチュアのチャンピオンに輝いている実力者。日本を獲った2人が最終組というなかなかの組み合わせだった。だが、首位と1打差でスタートした藤井選手は、前半に崩れた。「4番H(395Y、パー4)で素ダボを打っちゃってから調子が狂ったね。だけど、後半の15番Hで15メートルの長いバーディパットが入って、また気分が盛り上がってきました。この時、佐々木選手がダボで1打差に縮まったこともある」。仕切り直しとばかりにヤル気を起こした藤井選手は、17番Hの佐々木選手の池ポチャで並ぶチャンスを迎えたのだが、「あの難しいパットを入れてボギーでおさえたのを見て、女神はあっちを向いてるなって思いました。最後の18番Hでも下りをきっちり沈めたし。今日は完敗でした」と仕方なかったといった表情だった。

最下位からの大ジャンプアップで日本シニア出場権
塚原誠選手(各務原)  155=83、72(37、35) 8位タイ

DSCN5890日本シニアへのカットラインがいくつになるのか、と周りがざわつい始めた頃、飛び込んできた情報が「インスタートでパープレーがいる」だった。それが、塚原選手だった。
「しのぎまくりでした。パーオンがなかなかできなくて、アプローチとパットでしのいだ。3バーディ3ボギーです。一緒に回った山川さん(敬止選手、74歳)が、最年長の僕でも頑張ってるから頑張れ、って励ましてくださって、引っ張ってもらった感じです。一生懸命やったら、こうなりました」と同伴者に恵まれたことを明かした。
10年ほど前に全日本社会人大会に出場したが、日本の舞台には立っていない。初めての日本シニアにドキドキワクワク、信じられない様子。武山安徳選手(明世)に祝福されて、徐々に笑顔満面になっていった。各務原CCではインタークラブの選手、シニアは2年目の55歳。(写真右が塚原選手、左が武山選手)

71歳で日本シニア出場権獲得
小川竹男選手(涼仙)  156=79、77(37、40) 15位タイ

DSCN5862初日を79、26位タイとした小川選手、赤坂壽彦選手(各務原)、加藤浩選手(岐阜稲口)は、ともに決勝ラウンドを77でホールアウトし、通算156でカットライン決定を待った。そして、156のマッチングカードとなり、通過したのは小川選手と赤坂選手。加藤選手は前半34、後半43の大波で残念な結果となった。(写真:左から赤坂選手、小川選手、加藤選手)

DSCN5891小川選手は出場権を獲得した選手中、最年長となる71歳。昨年の中部グランドシニアチャンピオンである。医者も見放した腰痛をフォームローラーのトレーニングで治したことはゴルファー仲間には有名な話。この北陸遠征にも「持ってきて、旅館やロッカールームで使ってました。移動の日は必ず携行してる。日課ですから」と小川選手。まさか権利を得るとは思っていなかったらしく、「びっくりしてる。でも、せっかく獲れたから行きたいねえ。でも、日本グランドシニアには絶対に出たいし」と思案顔。しかし、この71歳は年齢を超越したパワーを秘めている。決勝では出だしの2ホールをバーディ発進し、その後ロングで2つのバーディを奪った。同伴の赤坂選手も「あまりに飛ぶんで驚いた」ほどだ。何よりゴルフが大好きな小川選手のこと、きっと日本シニアでも周りを驚かせるのでは?

<フォトギャラリー>